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全力老犬介護
2019.08.17 - 2020.04.19
全力老犬介護:老犬介護の終わり
目次
はじめに・介護期間の話
徘徊用サークルづくり
夜鳴き
食事と認知症用サプリメント
寝たきりと床ずれ
PC付属のカメラで遠隔監視してみた
犬用車椅子を自作してみた
犬の腫瘍とニオイの話
◆老犬介護の終わり


老犬介護の終わり

お迎えがやってきた

息を引き取ると、死後硬直がはじまります。
棺(ダンボール箱)の中で体をまるめる姿勢をとらせる場合、硬直していると大変だという話を聞いていたので、ウチでは早めに収めてあげました。
収める前に口の中を綺麗にしてあげたりブラッシングして毛並みを整えてあげると良かったのですが、死後硬直の件に気を取られていて、綺麗にしてあげる作業が後回しになってしまいました。



各種手続きと友引

その日のうちに役場に届け出て、斎場への申請書などを受け取りました。
鑑札も返却することになり、保管しておいたものを出したのですが、詳細は自治体により異なると思います。

私が住んでいる自治体の斎場では、友引の日はペットも受け付けていませんでした。
息を引き取った翌日が友引だったため1日ボーナスを頂いたと思い、共に過ごしました。



気持ちの整理

私の場合、愛犬を抱いていた最中に呼吸が止まったため、もっと優しく抱いてあげればよかったと後悔しています。
後悔はなかなか消えないものです。

老犬介護が終わったあと、ああすればよかった、こうしてあげればよかった、という思いがつきまといましたし、今でもそう思ってます。
亡くなってしまってからではどうにもなりませんから、きちんと供養してあげることが自分にとっても肝要と考えました。
ドライに考えれば、犬のためというより、結局のところ自分の気持ちの問題です。

初七日にあたる日まで遺影の前で線香を炊いて、大量に買いだめして余ったドッグフードをいつも与えていた時間に置いておりました。



おわりに

『犬の十戒』
10
最後のその時まで一緒に側にいて欲しいのです。
このようなことは言わないで下さい、「もう見てはいられない。」、「居たたまれない。」などと。
あなたが側にいてくれるから最後の日も安らかに逝けるのですから。
忘れないで下さい、私は生涯あなたを一番愛しているのです。
(Wikipedia「犬の十戒」より引用)

我が家の愛犬は、生後推定3ヶ月の時に拾われた、元・捨て犬でした。
2001年に家族として迎え入れることとなり、17年5ヶ月のあいだ共に暮らしました。

13歳の頃、フラフラしているので何だろうかと思っていると、目がまわったときのように眼球が震えていました。
前庭疾患でした。それを乗り越えたと思いきや、その後ふたたび発症。
しかし、それも乗り越えました。

そんな生命力の強い子でしたが、16歳の頃に脚に腫瘍ができ次第に悪化。
17歳になったばかりの時に認知症を発症。時を同じくして私は、会社側の過失により失業の憂き目に遭いました。 非常に納得の行かない形での失業であったものの、もし失業していなかったら激しい夜鳴きで眠れず、どうなっていたのか想像もつきません。

「ペットを飼うなら最後まで責任を持って飼う」

言うのは容易いことです。
しかし、ある日突然に息を引き取るのならまだしも、何ヶ月も続く老犬介護で家族が体調を崩すほどになると、責任を果たすのも困難になってきます。

ある日突然にとか、数日前まで元気だったのに突然…、という話を聞きますが、うちの子の最期がこんな大変なことになるとは、思いもよりませんでした。

何かよい対応策はないものかネットで調べました。
老犬介護を日記としてブログやTwitterに綴っている方はいらっしゃいますが、体験を総合的にまとめている個人サイトは見かけませんでした。

2018年11月末、七転八倒の末、飼い主としての責任を全うすることとなりました。

間違った対応をしていたかもしれません。
もっと良い方法もあったでしょう。
いろいろな思いがありますが、老犬介護で大変な思いをしている方々にほんのわずかでも役にたてばと、記録をまとめることにしたのです。
このページの制作作業は辛かったことを思い出す作業でもあってなかなか進めることができず、結局1年近くかかってしまいました。

アドバイスではなく「経験談」として書いたつもりですが、どなたか一人でも何かのお役に立てて頂けたのなら幸いです。
ということで、文字どおり全力で介護した体験の話は、このあたりで終わりにします。






余談
愛犬を失いペットロスになった彼女のために作った物語を映画化。涙腺を攻撃する作品として名高い。
僕のワンダフルライフ
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この映画はウチの子が16歳になり衰えが見えはじめたときに劇場公開されたものですが、いくつかのラジオ番組で紹介されていて高評価だったので映画館で見ることを決定。
泣いてしまうと分かっていたので、有給を取って平日の客が少ないときに見に行って正解だった映画です。
この映画の影響か、ウチの子は今どこで何をしているのだろう?かと思ってしまいます。


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