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高野山かなり完璧ガイド
2019.05.25 - 2020.06.14
行事・体験・観光
■目次
空海に食事を届ける「生身供」
「ナイトツアー」と「お逮夜(おたいや)ナイトウォーク」
音声ガイド一覧
霊宝館
大師教会
御授戒体験
行事・催しカレンダー


生身供

しょうじんぐ
生身供
今も瞑想を続ける空海のために、1200年ものあいだ毎日、食事が作られています。
食事が運ばれるのは、午前6時と午前10時半の1日2回。
午後に食事がないのは瞑想に集中するためだそうです。

生身供(しょうじんぐ)と呼ばれるこの儀式は、嘗試地蔵(あじみじぞう)からはじまります。
毒味がおわったあと、食事の入った木箱は燈籠堂へと運ばれ、肖像画が飾られている前に置かれます。
そして、長い読経が始まります。所要時間は、私が見学した朝6時の回の場合、50分~1時間程度です[注1]

食事を運ぶ2人の僧の前にいるのが維那(ゆな)[注2]と呼ばれる、位の高い僧。
維那は年に1度の弘法大師の衣替えも担当しているそうです。

上段の写真は出発の様子(2016年5月21日6時撮影)。
下段の写真は燈籠堂に運ばれたあと、帰ってきた時の様子です(2013年撮影)。
NHK BS「新日本風土記」で献立の一部が紹介されました。
精進料理ではあるものの、チンジャオロース、きのこのポン酢和え、きゅうりの酢物、クリームスパ、コロッケ、ゆで茄子梅肉和え、きのこ炒め、コロッケ、精進カツ、オレンジ、ドラゴンフルーツなど、和食以外の料理も作られているそうです(情報元[3])

余談ですが上段の写真を撮影した日、TBSの「所さんのニッポンの出番」の取材があり、私のすぐ横で歴史学者の磯田道史さんがロケに同行されていました。この番組では何度か私がチラッと写っていました(2016年6月28日放送)。


・注1:30分程度と記しているサイトもあります。
・注2:「ゆいな」と発音されていた高野山の僧もおられましたが、ここでは「ゆな」とします。「いな」とも呼ぶようです。
    日によって先頭を歩く僧が異なる場合があるようですので、必ずしも維那が先頭でない可能性(当方未確認)があります。
・参考:高野山奥之院で毎日弘法大師に食事を届ける「生身供」を見よう(トラベルjp<たびねす>)


夜の奥之院を歩く
奥之院の参道は24時間自由に出入りできますが、夜の奥の院を歩く催しが2つあります。

こうやさんおくのいん ナイトツアー
高野山奥之院ナイトツアー
宿坊でもある恵光院(えこういん)の方の案内で、高野山にまつわる話を聞きながら夜の奥之院を歩きます。
外国人むけにも対応しており、英語、日本語それぞれのグループに分かれてのツアーとなっています。
恵光院に宿泊されない方でも参加できます。

【※最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください!】


開催 :雨、雪の日以外ほぼ毎日開催。
    「お逮夜」にあたる毎月20日は催行されていません(日本語は開催していませんが、英語のみ開催です)。
参加方法:公式サイト参照
参加費:有料。公式サイトをご参照ください

ツアー内容・詳細はリンク先をご参照ください。
リンク:公式サイト(恵光院)




おたいやナイトウォーク
お逮夜ナイトウォーク
弘法大師の月命日である21日の前夜(20日の夜)のことを「お逮夜(おたいや)」と呼びます。
貸し出される提灯を持って夜の奥之院を歩きます。
灯籠堂で説法と読経があり、参加者全員で般若心経を唱えます。

・夜7時前に「一の橋案内所」(一の橋のすぐ前)に集合。
・提灯はロウソクではなく電球です。
・般若心経が書かれた紙が配布されます。

開催 :毎月20日 夜7時開始。
終了は夜9時すぎ。
天候等の状況により中止の可能性あり。
参加費:無料
(2016年時点での情報です)。

催行情報は、高野町観光協会が運営するサイトに掲載されるようです。
リンク:悠遊高野山(一般社団法人 高野町観光協会)




音声ガイド
各所にある案内所で「音声ガイド機」を借りることができます。
49番から94番までが奥之院の解説、1番から48番と95番から103番は高野山内にある寺院などについて、5ヶ国語での案内を聴ける機器となっています。
私は音声ガイドを借りたことがありませんので、詳細は高野山宿坊協会のサイトをご参照頂ければと思います。


奥之院内の音声ガイドの番号と解説場所一覧
49 一の橋
50 関東大震災横死者供養塔
51 曾我兄弟供養塔
52 大秦景教流行中国碑
53 平敦盛・熊谷直実供養塔
54 大岡家(大岡越前守)供養塔
55 多田満仲供養塔
56 武田信玄・勝頼墓地
57 上杉謙信霊屋
58 紀州徳川家供養塔
59 弘法大師の腰掛け石
60 井伊掃部頭霊屋
61 伊達政宗供養塔
62 薩摩島津家供養塔(4番石)
63 石田三成供養塔
64 明智光秀供養塔
65 初代市川團十郎供養塔
66 中の橋
67 汗かき地蔵
68 姿見の井戸
69 禅尼上智碑
70 密厳堂
71 高麗陣敵味方戦死者供養碑
72 千姫供養塔
73 祟源婦人五輪石塔(1番石)
74 芭蕉句碑
75 加賀前田家供養塔(3番石)
76 松平秀康及び同母霊屋
77 円光大師供養塔
78 浅野幸長供養塔(2番石)
79 豊臣家墓所
80 織田信長供養塔
81 御供所
82 水向地蔵
83 御廟の橋
84 [?]
85 みろく石
86 仙陵 せんりょう
87 燈籠堂
88 納骨堂
89 弘法大師御廟
90 一切経蔵
91 [?]
92 浅野内匠頭墓碑
93 無縁塚
94 親鸞聖人霊屋


霊宝館

れいほうかん
霊宝館
とても見応えのある博物館です。
国宝や重要文化財などが多数展示されています。
仏像、掛け軸、巨大な曼荼羅などがありますが、展示品入れ替えで時期によって見られるものが異なるようです。


大師教会と御授戒

だいしきょうかい
大師教会
高野山真言宗の布教等の総本部です。「写経」や「御授戒」などの体験ができます。
御授戒体験については、実際に体験してきましたので下記にまとめました。


大師教会入口。内部は撮影していません。

ごじゅかい(おじゅかい) たいけん
御授戒 体験
「授戒」とは、大辞林によれば「修行者・信者としての守るべき戒を授けること」とあります。
授戒に御をつけて「御授戒」です。

真言宗の御授戒は、「十善戒(じゅうぜんかい)」と呼ばれるやってはいけない10のことを唱える儀式のようなもの。
金剛峯寺の近くにある大師教会で、御授戒を体験することができます。

1日7回開催。予約不要。定員200名。 料金は500円 (※2017年時点)。
詳しくは金剛峯寺公式サイトを参照下さい。
リンク:高野山真言宗 総本山 金剛峯寺 (体験のページ)


御授戒を体験してみた
「御授戒」とは何だろう?
調べてみるとどうやら「戒律を聞く儀式」らしい。しかしどんな話を聞けるのだろう?
ネット上では詳しい情報が見つからないので実際に体験してみました。

定員は毎回200名ですが、私が参加したときは平日だったためか、まさかの一人。
広い部屋に移動すると、案内役の僧から軽く説明を受けました。
扉が閉じられると部屋は真っ暗。記憶が曖昧ですが照明はろうそくだけだったように思います。

広く暗い部屋で1人でしばらく待つと、読経につづいてさきほどの案内役の僧と阿闍梨という位の高い僧が入室されました。
そして私の真正面に座られた阿闍梨が「十善戒」の1つ1つをお経のような独特の抑揚で唱えられていきます。
それを復唱するのですが、参加者は私一人で間違えると恥ずかしいので、かなり緊張しました。

続いて阿闍梨から法話があり、「菩薩戒牒」というおふだをいただきました。ツアーなど大人数で参加した場合、代表者が受け取ることになるようです。
所要時間は約30分。非常に仏教的な体験をすることができます。
より一層、厳粛な雰囲気の中で体験したい方は、少人数での参加をお勧めします。

参考:十善戒(Wikipedia)


行事・催しカレンダー
一般参加可能な催しやイベントを中心にまとめました。
6月第2土曜日 青葉まつり前夜祭
高野ねぶた奉燈行列(18:00~22:00)


6月第2日曜日 青葉まつり(宗祖降誕会)
弘法大師の誕生日を祝う行事。大師教会と、一の橋から金剛峯寺前広場にて開催。
もともと、毎年6月15日開催だったものが、2020年から6月第2日曜日の開催と変更になりました(※ただし2020年は開催中止)。

青葉まつりは大正時代にはじまったもの。弘法大師をかたどった「高野ねぶた」が高野町を全体を3時間以上かけて巡行します。
参考 :高野ねぶた (画像検索)
リンク:青葉まつり facebook公式アカウント


毎年8月13日 ろうそく祭り
万灯供養会(まんとうくようえ)。奥之院の参道に10万本のロウソクが灯されるお盆の送り火です。
夜7時から、一の橋口前の観光案内所でロウソクが配られます。


毎月21日 『お大師様の日』
弘法大師の月命日にあたる21日には奥之院の入口(2つのうちどちらか)で接待があります。
また、霊宝館では粗品のプレゼントがあります(2014年現在)。
ちなみに弘法大師が入定されたのは旧暦の3月21日です。


毎月20日 お逮夜(おたいや)ナイトウォーク
弘法大師の月命日にあたる21日の前夜(20日)に開催。詳細は「お逮夜ナイトウォーク」の記事をご参照ください。

毎年大晦日12月31日の夜 御幣納め(ごへいおさめ)
大たいまつを奉納する行事。龍光院からスタート。


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